固定資産の修理・修繕のための支出には、資本的支出として固定資産の取得原価に加えられるものと、修繕費として損金に算入されるものがあります。資本的支出とは、その固定資産の使用可能期間を延長させたり、価値を増加させたりする支出のことをいいます。修繕費とは、その固定資産の現状を回復し、維持するために支出する費用のことをいいます。
固定資産の修理・修繕のための支出が資本的支出に該当するか、修繕費に該当するかは下記に従い判断します。
①20万円未満の支出か⇒(YES)修繕費(NO)資本的支出
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②3年以内の周期で支出する費用か⇒(YES)修繕費(NO)資本的支出
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③明らかに資本的支出か⇒(YES)資本的支出(NO)④へ
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④明らかに修繕費か⇒(YES)修繕費(NO)⑤へ
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⑤60万円未満の支出か⇒(YES)修繕費(NO)資本的支出
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⑥取得価額の10%以下の支出か⇒(YES)修繕費(NO)資本的支出
固定資産の修理・修繕のための支出は、資本的支出に該当するものであっても、①20万円未満の支出、②3年以内の周期に該当するものは修繕費として損金に算入することができます。資本的支出か修繕費か判断のつかないものは、⑤60万円未満の支出、⑥取得価額の10%以下の支出に該当すれば、修繕費として損金に算入することができます。
上記の区分にあてはまるように固定資産の修理・修繕のための支出を行うことにより、修繕費としてその年度の損金に支出額の全額を算入することができ、節税効果を得ることができます。