木村元泰会計事務所TOP > 所長のこと > IFRSの強制適用の延期
金融庁よりIFRSの強制適用の延期が発表されました。
日本において、IFRSの導入は金融庁が2009年6月に公表したロードマップ案により、2012年を目処に適用の時期を決定するとされていました。早ければ2015年3月期の決算より、上場企業に対してIFRSが強制適用されると言われていました。
ところが、米国はIFRSの適用を2011年に判断する予定でしたが、IFRSの強制適用に慎重な姿勢を見せ、今年の5月に「5~7年」かけてIFRSを導入すると予定を変更しました。
米国がIFRSの導入を遅らせたことにより、日本の大手企業や経済界からもIFRSの強制適用を遅らせるべきとの意見がでてきました。そこで、金融庁は2012年に適用を決定してからの移行期間を、当初の「3年」から「5~7年」かけて判断すると方針を変更しました。これにより、IFRSの強制適用は早くて2017年以降に延期されることになりました。
この方針を変更した理由は、東日本大震災で打撃をうけた産業界への配慮とIFRSの適用に慎重な姿勢を見せた米国を注視するためです。
IFRSの導入には多大なコストと労力がかかるため、適用が延期されたことにより上場企業の負担は軽減されます。
今後は、全上場企業に一律にIFRSを適用するか協議される予定であり、今後の動向にも注目していく必要があります。