木村元泰会計事務所TOP > 所長のこと > 税制改正情報~法人税② 繰越欠損金控除限度額引き下げ等について~
前回の記事では平成27年度税制改正のうち法人税率引き下げについてご紹介しましたが、今回はその他の改正で主なものをご紹介します。
1.繰越欠損金の控除限度額の引き下げと繰越期間の延長
大法人の繰越欠損金の控除限度額は所得の80%を限度としていましたが、以下の通り控除限度額が引き下げられました。
・平成27年4月1日以降に開始する事業年度⇒所得の65%
・平成29年4月1日以降に開始する事業年度⇒所得の50%
なお、資本金1億円未満の中小法人等については従前の通り、所得の全額を控除することが出来ます。
2.受取配当等の益金不算入制度の見直し
受取配当金について改正前は、持株比率25%以上は100%、25%未満は50%が益金不算入とされていました。株式投資信託の分配金は分配金の額の1/2又は1/4の額について、50%が益金不算入とされていました。今回の改正により下記の通りとなります。
・持株比率5%以下⇒20%益金不算入
・持株比率5%超1/3以下⇒50%益金不算入
・持株比率1/3超⇒100%益金不算入
・株式投資信託の分配金⇒全額益金算入
その他改正されたものは下記の通りです。
〇地方税における法人事業税の外形標準課税の拡大等
〇研究開発税制(総額型)の見直し
〇所得拡大促進税制の要件緩和
〇地方拠点強化税制の創設
〇福島再開投資等準備金制度の創設
詳しくは財務省HP内「平成27年度税制改正」をご覧ください。