多額の医療費を支払った場合には、一定の金額を所得から差し引くことができます。詳しい計算方法は
税務情報・・・所得税【所得控除の計算方法①】をご参照ください。医療費控除をうける際の節税のポイントは下記の通りとなります。
○生計を一にする配偶者その他の親族
医療費控除の対象は自分のために支払ったものだけでなく、生計を一にする配偶者等の親族も含まれます。また、親族は扶養親族である必要はありません。
医療費控除は所得が多い人が受けたほうが節税の効果は大きいです。生計を一にする親族の医療費を支払う際には、所得の一番多い人が支払うことにより、医療費控除の節税効果を大きくすることができます。なお、医療費控除の限度額は200万円ですので、200万円を超える分については生計を一にする別の人が支払えば、その分も医療費控除の対象となります。
○電車代やバス代等の交通費
医療費控除は、通院のための電車代やバス代等も対象になります。通院のために電車代やバス代を支出した際は記録を残しておき、その明細を申告書に添付することにより医療費控除を受けることができます。通院のための交通費は医療費控除に含めるのを失念する場合が多いので、もれなく含めて節税をしましょう。
○セルフメディケーション税制
医師によって処方される医薬品からドラッグストアで購入できる医薬品に転用された医薬品の購入費から12,000円を控除した金額(88,000円が限度)を医療費控除の特例として所得控除することができます。このセルフメディケーション税制の適用を受ける場合、予防接種、健康診断などの健康の保持増進及び疾病の予防に取り組んでいることを証明する書類を確定申告書に添付する必要があります。セルフメディケーション税制は医療費控除との選択適用であり、同時に適用することはできません。医療費控除より控除の限度額は低いですが、医療費控除を受けるほどの医療費がない場合、セルフメディケーション税制を受けることにより節税することができます。