寄付金とは、金銭、物品その他経済的利益の贈与又は無償の供与をいいます。法人が寄付金を支出した場合、損金算入限度額の範囲で、損金算入することができます。
1.寄付金の種類
寄付金の種類は下記の通りとなります。
区分 |
例 |
指定寄付金等 |
・国又は地方公共団体に対する寄付金 |
・国公立学校の設立団体に対する寄付金で、その施設が国庫に帰属するもの |
・日本赤十字社等に対する災害義援金のうち、最終的に委員会等に対して拠出されることが明らかにされているもの |
・日本学生支援機構に対する寄付金で、学費の貸与に充てられるもの |
・各都道府県共同募金会に対する寄付金で、学資の貸与に充てられるもの |
・日本赤十字社に対する寄付金で財務大臣の承認を受けたもの |
特定公益増進法人等に対する寄付金 |
・日本赤十字社に対する寄付金で、経常経費に充てられるもの |
・社会福祉法人 |
・私立学校法人で、学校の設置を主目的とするもの |
・財団法人日本オリンピック委員会等 |
・独立行政法人 |
・認定特定非営利活動法人(認定NPO法人) |
・認定特定公益信託の信託財産とするためのもの |
一般の寄付金 |
・政治団体・政党 |
・宗教法人・神社等 |
・日本道路公団、日本商工会議所等 |
・町内会 |
2.損金算入限度額
寄付金は上記の寄付金の区分ごとに損金算入限度額が定められています。
①指定寄付金等
指定寄付金等については、全額損金に算入することができます。
②特定公益増進法人等に対する寄付金
特定公益増進法人等に対する寄付金については、一般の寄付金とは別枠で、「損金算入
限度額」の範囲内で損金に算入することができます。
③一般の寄付金
一般の寄付金については、「損金算入限度額」の範囲内で損金に算入することができま
す。
「損金算入限度額」は下記の通り算出します。
(1)(期末資本金額+期末資本積立金額)×(当期の月数÷12)×(2.5÷1,000)
(2)(別表4の仮計の金額+支出寄付金額)×(2.5÷100)
(3)「損金算入限度額」={(1)+(2)}×1/2
寄付金の損金算入限度額の計算例は下記の通りとなります。
計算例1
①指定寄付金等1,000、②特定公益増進法人等に対する寄付金500、③一般の寄付金800、「損金算入限度額」500の場合
・寄付金の損金算入限度額=①1,000+②500+③500 ⇒ 2,000
計算例2
①指定寄付金等1,000、②特定公益増進法人等に対する寄付金500、③一般の寄付金800、「損金算入限度額」300の場合
・寄付金の損金算入限度額=①1,000+②300+③300 ⇒ 1,600
上記のように、②特定公益増進法人等に対する寄付金については、一般の寄付金とは別枠で損金算入限度額がある点で優遇されています。